
淫語ボカロ「宗教団体 真メグデス」SIN-MEGDEATH
【淫語ボカロ】「宗教団体真メグデス」 当団体はアルバムの売り上げで活動費を賄っております。応援よろしくお願いします。
We are Sin-Megdeath, a music production team. Please support us by buying our album! The purchase site is available in English. Thank you!
【生成AI商品】姉妹サークル「宗教団体真メグデス出版」※生成AI商品は売り場が異なります。

キャラクター設定 (IA GILLAN / IA PLANET)
MOVIE(未発表曲)
※ 動画は「カスタムメイド3D(KISS)」で制作した非売品です。
AI ILLUSTRATION
HISTORY OF IA GILLAN (SIN-MEGDEATH)
メグデスのイアの歴史 ~ 母から娘へと継承されたブルースの魂
メグデスにおいて『イア』は、メグデスのオリジナルキャラクターである『イア・ギラン』もしくは、その娘である『イア・プラネット』を指す。
ネット上のボカロ界隈における『イア』や、YAMAHAの商品VOCALOIDのキャラクターである『IA -ARIA ON THE PLANETES-』とは、連動しつつも全く異なる文化的背景を持つ。
思想、芸術、法律、風習が複雑に錯綜する2010年代の状況を鑑みるために、ここ『メグデスのイア』の歴史を記す。
■■ 第一章 夢を追いかけた「氷河期世代の若者」が『初音ミク』にハマり、人生を棒に振る
メグデス創始者のひとりである、ジャイアント・シュナイダー(g)は、初音ミクを2007年の発売月に入手した、熱心な『VOCALOID(通称:ボカロ)』のユーザーであった。そして『プロのミュージシャン』を目指して、独学で作曲とギターの学習を続けていた。
東京で、社会人を続けながら、ボーカルを探し、レコーディングをし、デモ音源を制作して会社に送るというのは、当時のアマチュア・ミュージシャンにとって、非常にハードルが高い問題であった。ジャイアントはフリーターや派遣社員を続けながら、知人をたどってボーカルを探した。
時には、MTR(録音機材)を担いで、「デモのレコーディングで歌ってください」と、池袋の路上でナンパ行為のようなこともしていた。
そんなとき、発売されたVOCALOID『初音ミク』と、動画投稿サイト『ニコニコ動画』から発生した「ボカロブーム」は、ジャイアントにとって、一筋の「希望の光」であった。
音楽に没入し、「すでに人生を棒に振った状態」であった、ジャイアントは、それでも『奇跡』を信じ、VOCALOID『初音ミク』とDTM機材一式を購入し、『ニコニコ動画』へ投稿を始めた。2007年頃は、まだ音楽が「売れていた」時代であり、また、サブカル隆盛していた。そのため、ジャイアントのような「夢を追いかける氷河期世代の若者」は、それほど珍しくなかったのではないかと思われる。
■■ 第二章 なぜボカロPは『音楽』が上達しないのか?
「いつかプロになる」という夢を持ったジャイアントが、『ニコニコ動画』への投稿を開始して、数年の月日が経過した。ボカロを利用する作曲者(通称:ボカロP)が、プロとなり脚光を浴びることも珍しくなくなってきていた。
しかし、ニコニコ動画上で、熱心に投稿するジャイアントの人気は、全く鳴かず飛ばず。また、そもそも作曲のレベルも、ギターのレベルも、社会人になってから、いっこうに上達の気配がなかった。
ジャイアントの『音楽レベル』が上がらなかった理由は、色々考えられる。
そもそも、氷河期世代の当時の労働時間は非常に長かった。
当時のジャイアントも、帰宅が、深夜12時を回ることも珍しくなかった。
時間も体力も、大きく消費していた。
しかし、労働時間の長さだけが、『音楽レベル』が上がらなかった理由ではない。
『自己責任』によるところも大きい。
「ボカロ文化」は、いわずもがな「ネット文化」の中にあった。ところが、氷河期世代が生みだした「ネット文化」は、巨大な「消費者文化」であった。アニメ、ゲーム、ニコニコ動画、それらのコンテンツを大量に消費しないと「ネット上の会話(コンテクスト)についていけない」ような状態にあった。
「コンテンツを消費しないと、会話に入れない」という現象は、2025年現在も、存在する。
このような状況では「コンテンツが楽しいから消費する」というよりも、「孤立したくないからコンテンツを追いかける」という心理状態も発生する。
ネット普及前の時代であれば、『孤独』な状態から抜け出すには、実際に人と会うしかなかった。
つまり、相手の都合がつかなければ、我慢するしかなかった。これにより、孤独に対する耐性が生まれる。
しかし、ネットが普及した以後では、SNSを開けば、孤独から抜け出せてしまう。
結果として「ネットがあれば、一人でいることには耐えられる。しかし、ネットが遮断された、完全な孤独に対する耐性は弱い」ということになる。
そして、ネット依存が始まる。ネット依存下では「ネット上の会話についていけない」というのは苦痛である。
会話についていくための、コンテンツ消費が始まる。
事実を述べよう。
当時、ジャイアントは、懸命に「音楽(という名のボカロ)」をやっていた。
しかし、その内訳の8割ぐらいは「ネットで遊んでいた」だけなのだ。
このような状況下で、「プロフェッショナル」と呼べるような音楽的技術を身に着けることは、到底、不可能である。
しかし、『ネットやPCで遊ぶことが、クリエイターへの近道』だと勘違いした「氷河期世代の若者」は、当時、それほど珍しくなかったのではないかと思われる。
■■ 第三章 幻想と妄想に溺れた「氷河期世代のボカロP」たち
当時の状況を鑑みると、ボカロが引き金となって発生した、2010年頃の『空前のDTMブーム』は、「氷河期世代の若者」の「巨大な勘違いと妄想」によって支えられていたのではないかと思われる。
・「夢は信じれば叶う」という幻想
・「ネットで遊んでいたら、好きなことでプロになれる」という妄想
こうした幻想や妄想を抱きがちであった「氷河期世代の若者」は、他の世代と比較して愚かだったのか?
そうだとも言えるし、そうでないとも言えるかもしれない。
インターネットの普及や、PCのソフトウェアの急速な発展、そして「団塊世代の豊かな両親」の資金援助により、「氷河期世代の若者」は、莫大な知識と、広範なスキルを手に入れた。
氷河期世代には「絵も、音楽も、Office関連のソフトの操作全ても、PCの自作も、ガンプラ制作も、外国語も、全てできる」という人々が、少なくない。様々な知識やスキルを身に着けているという点では「賢い人々」と言える。
その一方、「氷河期世代の若者」は、賃金の低さと、労働時間の長さ、また、社会文化の「ヲタ化」によって、「閉鎖された環境下」にあった。情報の入手先が『ネットだけ』になり、現実から乖離し、視野が非常に狭くなった。
「視野が狭い」というのは、率直に言うと「騙されやすい、流されやすい」ということである。
ネットには様々な言説が流布するが、そうした言説に、一番大きく、右往左往したのは、『氷河期世代』であると、推測する。2010年頃の、ボカロブームと同時期には「嫌韓・嫌中」、「韓流」、「ネトウヨ」など、政治的にもさまざまな『ブーム』が発生する。これらの、さまざまな『ブーム』を支えていたのは、氷河期世代だと断定できる。
なぜならば、氷河期世代より上の世代は、ITリテラシーが低く、SNSに触れる人数の割合が少なかった。
また、氷河期世代より下の世代は、人数がそもそも少ない。また、すでに価値観が分断されており、まとまった『ブーム』を引き起こすだけの吸引力を持たない。
つまり、2010年当時で言えば、ネット上でなにか『ブーム』が発生したとすれば、それはすなわち「氷河期世代が火をつけたもの」と解釈しても、差し支えないだろう。
「答え合わせ」が始まった2025年の現在であれば、「あれも、これも、全て、政治権力によって、情報が操作されていたのではないか?」と考えることもできる。しかし、2010年当時は、情報が錯綜していた。
誰が情報を操作し、誰が判断を操作されているのか、「なんだかよくわからない」という状況であった。
当時、正しいと思っていたことが間違っていたり。
あるいは、間違っていると思われていたことが正しかったり。
2010年頃の『ネット言説』は、そういったものが、非常に多いと感じる。
■■ 第四章 メグデス覚醒『ニコニコ動画』上の嘘に激怒するー「100万人に死を」を標榜
「プロのミュージシャン」になることを夢見ていたジャイアントも、会社員として社会経験を積むうちに、少しずつ、現実を見ることができるようになっていた。
フリーター時代よりも、上下ともに、はるかに広範な人々と交流を持つようになった。また、会社員として「ビジネスの構造」を把握することで、広い視野を持てるようになった。
中年になってから行った『転職活動』も、ジャイアントの知見を深めることになった。
『ミュージシャン』や『クリエイター』と呼ばれる人々が、実際のところは『努力』ではなく、「実家の経済力、コネ」に大きく支えられていることも、実感として理解できるようになっていた。
こうした『現実への目覚め』も、「氷河期世代の若者」の多くが「氷河期世代の中年」になるプロセスにおいて、自覚・体感した「諦念・絶望」かもしれない。
もしかしたら、江戸時代~昭和初期の人々は、階級差・身分さから発生する、この類の「諦念・絶望」を、もっと早い段階、10代後半ぐらいまでに自覚・体感したのかもしれない。しかし、「氷河期世代の若者」は、ハードウェアとソフトウェアの進化によって、自身のスキルが水増しされたり、取り巻く環境が、日進月歩で進化していった。そのため、自分自身が「なにができて、なにができないのか」という見極めが、他の世代よりも、大幅に遅れた可能性はある。
「もう、プロのミュージシャンになることはあきらめるか」
2016年の、ジャイアントは、PCの画面を見つめながら、「投了直前の棋士」のような心境になっていたという。
「夢をあきらめる」と言うことに対して、ただ、ひたすら「心の整理」に時間を費やしていた。
莫大な時間とお金を費やしてきた「音楽でプロを目指す」という人生の方針を取り下げるのは、勇気がいることであった。
「プロをあきらめる」ことを考えながらも、ボカロ界隈の人々と交流を続けていたジャイアントは、ショッキングな事実を知る。ジャイアントが投稿を続けていた『ニコニコ動画』の『人気ランキング』が、「金とコネ」で操作されているというのだ。
それはこういうことである。
ボカロは、DTM機材をそろえるのに、非常に高額な投資が必要である。つまり、ボカロで遊んでいる『若い子』は、富裕層に生まれた人々なのだ。
また、アニメ・ゲームを無制限にたしなみ、そのブームにいち早く反応しイラストを投稿する『絵師』も富裕層が極めて多い。先述したが「氷河期世代」の多くの人々は、「低賃金で、労働時間が長い」のだ。にもかかわらず、放映されているテレビアニメを全てチェックして、かつ、オンラインでゲームまでして遊び、さらに「趣味でイラストを描いている」というのは、つまり「働いていない」ということである。
この「富裕層のボカロP」と「富裕層の絵師」が「富裕層が集まるクラブ(クラブに遊びに行って、酒を使って飲めるのも富裕層)の、ボカロDJイベント」等で知り合い、双方が結託して、「ボカロ動画」の再生数やイイネを買うという、情報操作が行われていた。
2025年現在であれば、ネット上の再生数やイイネが「金で買える」というのは、周知の事実である。しかし、2016年当時のジャイアントにとっては、「まさか、そんなことが…」という、青天の霹靂であった。
「信じていたものに、裏切られた」
ジャイアントは、そう感じたという。
それまでジャイアントは、ネット文化というのは、自分と同じような立場の人々が、協力して作り上げているものだと理解していた。それは、ある一面では正しい。しかし、それを操作している「富裕層の人々」がいる。
さらにまた、運営している『ニコニコ動画』自身も、カドカワと結託して、ランキングを操作しているという噂もあった。
社会の全てが、一部の人々の「金と嘘」によって、操作されている。
夢をあきらめ、そして、夢を託していた「ボカロ文化」にも裏切られたジャイアントは、「全員殺してやる」と考えた。
それまでは、ネット文化の潮流に乗り、「好きなことで成功して、金と女を手に入れたい」と、お花畑のような思考回路であったジャイアントが、社会に対して『殺意』を抱くようになった。
その『殺意』は『強い思想』へと変化した。
そして、その『強い思想』を、芸術活動によって磨き、表現したいと考えるようになった。
この流れから、ジャイアントは『ボカロP』として活動することをやめ、団体名(サークル名)を掲げて、楽曲を投稿するようになる。
サークル名は『MEGDEATH(メグデス)』。「100万人の死」を意味する「MEGADEATH(メガデス)」からとってつけられた。
■■ 第五章 『社会のルール』に対する不信感から『表現の自由』を掲げる
ジャイアントが創立したサークル『メグデス』は、『淫語ボカロ』を標榜した活動を、2016年11月からスタートする。
メグデスは、それまでのボカロが持つ「アニメ・ゲームを土台とした、キラキラした世界観」を破壊すべく、生々しい「淫語」を歌詞に用いた作詞・作曲を行うようになる。
メグデスの活動内容は、一見すると「ジョーク、ウケ狙い」に見えたかもしれない。
しかし、その根底には「夢をあきらめた氷河期世代の男が発する、社会に対する冷たい殺意」があった。
YAMAHAのVOCALOIDには、利用規約がある。
そこには「公序良俗に反する行為で使用してはならない」というのがある。
しかし、先述したように「ボカロブーム」は、ニコニコ動画上の『情報操作』の上に、ビジネスがあった。
「公序良俗とはなにか?」
企業や一部の人間が、ニコニコ動画やSNS上で『情報操作』をすることは「合法的なビジネス」で、言葉や歌でセックスを表現するのは「違法」になるのか?
また、商品を製造している『企業』が『法律』のような社会ルールを決定することにも、違和感があった。
仮に、VOCALOIDの製造元であて、YAMAHAが「ボカロ上の作詞・作曲」に対して、法的な権力を持つことができるならば、これは大変な問題になる。
どういうことか?
VOCALOIDは『道具(ツール)』である。
道具の製造元が、道具の利用者に対して『利用制限』をかけられるのであれば、道具の製造元は、政治家よりも、はるかに強い権力を有することになってしまう。
例えば、AdobeがPhotoshopやillustratorの利用規約を掲げて「美少女のヌードを描くことは公序良俗に反する」と主張すれば、国会の議論を経ずして、社会から『美少女のヌード』を抹消できることになってしまう。
それを推し進めると、日本マイクロソフト社が「自民党に反対する意見を、WORDで記述してはならない」だとか、「この靴を履いた人間は、時速8キロ以上の速度で走ってはいけない」だとか、人間のありとあらゆる営みを、道具の製造元である『企業』が、勝手に『社会的な道徳』を決定する権利を有することになってしまう。
断っておくが、YAMAHAに、そのような横暴な態度は一切ない。
ここでは、「企業側が『道具』に対して『利用制限』をかけることは思想統制である」という危険性を示唆しただけである。
しかし、2025年現在、権力者側が一方的に『表現を規制』する方向へ、世の中は動いている。
メグデスは引き続き、『淫語ボカロ』の活動を続け、「権力者や企業がルールを勝手に決めること」に対し、『表現の自由』を掲げる芸術家の立場から、異議を唱えていく方針である。
■■ 第六章 『表現規制』の問題により、ニコニコ動画からFC2アダルトへの移籍。そこで、時代の必然性から誕生した「巨乳のイア」
2010年後半から、SNSは、アダルト規制を強める一方であり、ニコニコ動画も例外ではなかった。
また、メグデスが掲げる『淫語ボカロ』の作風は、「アニメ・ゲームを土台とした、キラキラした世界観」を本流とする、ニコニコ動画のユーザには受け入れられなかった。
ボカロPが増え、その一方でボカロブームも少しずつ下火となり、メグデスの動画の再生数は200程度であった。
これを理由に、2016年、メグデスは活動拠点を「FC2アダルト」に移す。
そして、ソフトウェアを利用して制作した「3Dモデルのエロ動画」と「楽曲」を組み合わせて、発表しはじめる。
ここで、大きな問題が勃発する。
2016年当時、「貧乳キャラは、3Dエロの世界でウケが悪かった」のだ。
二次元の漫画であれば、作者の漫画の画力や、きめ細やかなシチュエーションやアングルの妙によって、「貧乳女性のセックス」であっても、迫力やインパクトを出すことができる。
しかし、3Dモデルの女性が「音楽に合わせてセックスする、ダンスを踊る」というエロ表現の条件下においては、「胸が大きく揺れる」というのは、大きな見せ場となる。貧乳キャラは圧倒的に不利な立場となる。
VOCALOIDのキャラクターの多くは『初音ミク』を筆頭に、「貧乳・中性的」である。『初音ミク』であれば、知名度が高いため、貧乳のままでも高評価が期待できた。
しかし、『イア』は当時、ニコニコ動画ユーザ以外の人々にとっては、全く無名の存在であった。
無名で貧乳だと、どれだけ楽曲を頑張って制作しても、FC2アダルトで評価を得ることはできない。
3Dエロ界隈に適応するため、メグデス内で、イアの『品種改良』が行われた。
そうして誕生したのが、イアの亜種である「巨乳のイア」、『イア・ギラン』である。
イア・ギランは大きな力を発揮し、FC2アダルトにおいて『ザーメン便器』という楽曲が、8000再生を獲得した。
そして、メグデスの正式なボーカリストとして採用されることとなった。
メグデスの『イア』が巨乳であるのは、メグデスが持つ、思想的な背景、社会への反発、そして、夢が破れた男が、おっぱいに癒しを求めた結果である。
■■ 第七章 『クビ』から『再生』
「巨乳のイア」である、イアの亜種、イア・ギランは、「メグデスの人気ボーカリスト」となる。
そして、もう一人の看板娘「メグ・ハルフォード」と共に、2019年メグデスのデビューアルバム『STAND UP AND SEX』で、DLsiteにて同人デビューを果たす。
しかし、このアルバムが、わずか「3枚」しか売れなかった。
ここで、メグデスは大きな決断を下す。
「イアの声は暗い、ウケない」と判断し、イア・ギランをクビにする。
そして、メグ・ハルフォードと、ミク・ロンバート(初音ミクの亜種)の体制で2nd『ふしだらな天使たち』を制作する。
これが、50枚売れる。
これは、必ずしも「初音ミク効果」だけではなく、アルバムジャケットを、プロの絵師に依頼したり、プロモーションを強化したなど、複合的な要因があっての結果である。
しかし、「イアを外したことで売り上げが伸びた」という事実には変わりがない。
結果として、イアは1枚目の数曲を歌ったきり、出番がない状況が続く。
メグとミクのボーカル2名体制で、4th「ボカロ話し方講座」を制作したが、売り上げが下降気味であった。
そこで、テコ入れとして、イア・ギランの再雇用が決まる。
そして、ミク・ロンバートが解雇される。
1stで全く評価されなかったことを反省に、イアの「再デビュー計画」は、念入りに行われた。
まず、キャラクターデザインを、『ミク・ロンバート』を手掛けた絵師yuyu氏に依頼。
そして、楽曲も「イアの声の暗さ」を活かした「ブルージーな雰囲気を持つ、陰鬱な曲」をコンセプトに制作された。
そして、2020年、5th『PINK BLOOD』がリリースされる。
X JAPANのような「暗さと、激しさ」を持つタイトル曲『PINK BLOOD』や、小室哲哉の「暗さと、口ずさみやすさ」を意識した『ストリートファイターⅡ』、そして、メグデスの最大のヒット曲のひとつ『輪姦』など、キラーチューンが多数収録された5th『PINK BLOOD』は、2nd『ふしだらな天使たち』を上回る売り上げを叩きだした。
こうして、イアは再び、メグデスの前線へと返り咲いた。
全く相手にされなかった1st『STAND UP AND SEX』も、プロモーションの結果、長い時間をかけて、売り上げを伸ばし、現在は3rd、4thよりも、売り上げ枚数は多い。
イア、奇跡の復活。
「全く相手にされなかったものが、時間を置いて、評価されることもある」ということを、メグデスは、イアを通じて知ることになった。
■■ 第八章 母から娘へと継承された「ブルースの魂」
時は過ぎ、2020年。
3Dエロ界隈も熟したことで、「貧乳のニーズ」も一定数集まるようになった。
また、時間をかけて、ネット上の『イア(公式)』の人気が高まり、イアは一般的な知名度を獲得した。
その時代の流れに合わせて、巨乳の母イア・ギランの血を引く、より『公式設定』に近いデザインの娘、イア・プラネットが、プロモーションを務めるようになった。
「貧乳キャラは伸びない」から「貧乳もよし」という、時代の変革。
二次元世界で生じた、パラダイムシフトが、3D動画界隈でも発生したのである。
「貧乳」イア・プラネットの動画は、IWARAサイトで1万再生を三度叩きだし、メグデス肉便器ランキング3位に到達。巨乳の母ギランを大きく上回る成長を遂げる。
結果、ギランは「役目を終えた」として、現在、出番はなくなっている。
しかし、娘プラネットの大躍進は、母ギランが不遇の時代に練り上げた「不屈のブルース魂」を継承した結果だと、考えることはできまいか。
イアがボーカルの最新作「イア&ブルース・サンダース」には、「イア・ギラン」の名前もイラストもない。
AIで生成された「公式に近いキャラ」が採用されているのみである。
しかし、「メグデスのイア」とは、母イア・ギランこそが原点である。そして、その「ブルースの魂」は、今も変わらず「メグデスの精神的支柱」となっている。
(メグデス事務局 2025.2.5)
『イラスト(手描き/AI)』とメグデスの歴史
『反AI』の風潮で、メグデスの売り上げは半分となった
2025年2月現在、生成AIイラストと、それに反発する「反AI絵師」の対立は続いている。
メグデスもその影響は大きく受けている。
昔「ボカロ界隈」と「絵師界隈」は、非常に密な関係にあった。
メグデスの音楽作品も、ジャケットのイラストの発注等で、「イラスト、絵師」との関係で、さまざまなエピソードがある。
現在、メグデスは「AI推進」の立場にある。
ただ、過去は手描きの絵師の依頼もしていたし、私自身も絵を描いていた。
(下手なので見せたくないが)
なので、私自身は「AI推進」と「反AI」の両方の立場がわかる。
ここでは、「恨み、つらみ」はなしで、出来る限りフラットな視点で、現状の「音楽作品」と「イラスト」の関係をお話したい。
AIイラストが「面白い」と言われていた時期に、豊富なAIイラストをジャケットに採用した8th「枕ファンタジア」は、一気に50枚売れた。しかし、すぐ直後に「AIイラストは違法である」という風潮が高まる。そして、DLsiteは「AIイラスト」を利用した商品全ての販売を停止してしまう。
その後も、売り上げの低迷は続いている。


人間にイラストを発注する難しさ~同人の枠組みではイラストの発注は難しい
8th「枕ファンタジア」をリリースする時点では、メグデスにも多少予算があった。
そして、何人かの絵師に発注したが、AIイラスト比較した結果、手描きイラストは、全て不採用とした。
正確に言うと、キャラクター絵としては採用して、ジャケットイラストとしては不採用とした。
安価で引き受けていただいたとはいえ、この時点で、計5~6万を捨ててしまったことになる。
同人活動にとっては、かなり大きな損失だ。
絵師の方の名誉のためにフォローしておくが、ボツにした絵師の方は、サンプルやラフを見る限り、本当に上手い。描くのも速くて、一日~二日で、着色まで終えて、仕上がってきた。衣装のデザインも完璧だ。
しかし、塗りが薄い。表情に厚みがない。
しかし、これは、絵師の技術がないわけではなくて、「予算の範囲ないであれば、こうなります」ということなのだと理解している。サンプルで見せていただいたイラストは、あきらかに、もっと上手いからだ。
ただ、本件で「もう、人間にイラストを発注するのはやめよう」と思った。
数人の絵師と交渉する段階で、スルーされたり、お断りされたりして、疲弊した。
また、ようやく依頼がかなったとしても、思った仕上がりにならない。
「同人」という予算の枠組みでは、基本的に「外注」は無理ではないかと思う。
また、私は公的な仕事上でも、発注したり、学生に依頼したり、あるいは、妻に描いてもらうよう何度もお願いしたことがある。しかし、やっぱり、上手くいかない。
「絵が好き」な人は、「自分が描きたいモノを描くのが好き」なのであって、他人から指図されたいわけではない。あくまで「自己表現」がベースであり、そこにパトロンとして「お金を支払う」のが、絵師界隈の「マナー」なのだ。
しかし、メグデスはギリギリで回している弱小サークルである。他人に回せるお金はない。
メグデスが外注するのは、それによって、利益が見込める場合のみだ。
また、会社の立場であっても、学生やイラストレーターの生活を保護するために、経費を捻出することはできない。発注する側は、社内では企画を通さなくてはいけないし、仕上がったものは、企画通りのものでなくてはいけない。
率直に言うと、『反AI』を掲げて意見表明している「絵師(?)」のような思考回路や技術で、クライアントと
WIN-WINの交渉ができるとは思えない。
「反AI」の反対表明というのは、社会全体のビジネスの話ではない。
あくまで、「フェチズムに沿った、エロイラスト」を描いて、内輪で金銭をやりとりするような場合に「AIが邪魔になる」といった程度の話ではないだろうか?
その程度の「ローカル」な話に、「法律、憲法、人権」といったものを持ち出して議論するのは、大げさであるような気がする。
もし、本当に「絵のビジネス」の話をするのであれば、「AIを使う、使わない」だけではなくて、契約として、他につめなくてはいけない点が、いくらでもあるように思う。
例えば、絵師側が、どういう予算に対して、どういうレベルのものを制作できるのか。それが果たされなかったとき、どういう保証があるのかといったことである。
しかし、『同人』という、趣味レベルの話で、そこまで「契約」を絵師に押し付けるのも、やはり、やり過ぎだと思う。結論としては、双方見合わせて、発注側はAIを利用する方向で、落ち着くのではないかと思われる。
ただし、
『真の人間絵師』のイラストは、素人が考える以上に魔力がある。
メグデスの実績で言うと、
『絵師』の起用で、売り上げが50倍に伸びたことがある。
SNSでは、机上の空論として「AIイラストの方が良い」「人間の絵師の方が良い」という議論がなされるが、現実はそう単純ではない。
素人の「目視」での「良い、悪い」という感覚と、実際に商品にお金を払う、「目の肥えた消費者」の感覚は、全く違う。
絵師界隈における「目の肥えた消費者」は、SNSではベラベラ喋らない。
絵を観て、直観的に「好きだ、愛してる!」と感じるような人間こそが、絵師界隈のヘビーユーザー。
私は、エロゲのライターの経験もあるので、「絵師の魔力」の大きさは、本当によく理解している。
現在はわからないが、エロゲ全盛期は、エロゲブランドは、絵師に予算のほとんどを突っ込んでいたのではないかと思う。
「どちらも上手じゃん」「どちらも、ほとんど一緒じゃん」というのは、商品を買わない素人の意見。
そこに、数千円~1万円のお金を支払って商品を買う購入者は、よく価値を見ている。
上手い下手だけではなく、可能性や、共感性、表現されているものを見ている。
これは音楽でも同じ。素人が聴いたら「ただのギターの音」であっても、ギターが好きでCDを買っている人間は、本当に細かいところまで「一瞬」で聴き分けて、買う買わないを判断している。
なので、商品のプロモーションで、人間の絵師を起用するか、AIイラストを起用するかの判断は、戦略次第だとも割れる。
8th『枕ファンタジア』は、当初「AIイラスト画集+音楽アルバム」の形式で販売する予定だった。
しかし、反AIの風潮があって、すぐに、DLsiteで販売停止。その後「一部利用可」となり、現在は「売り場を分ける」という措置で、生成AI商品も販売可となっている。
現在、DLsiteで販売されている『枕ファンタジア』は「生成AIイラスト画集」をカットして、価格を当初より安価にした縮小版。
本作品は、ジャケットでは不採用となったが、手描きイラストも発注していた。
また、外部の作曲家(エルザ・シュマイケル)を起用している。
結果として、「作曲、AIイラストの生成、手描きイラストの発注」の費用が重なって、赤字になってしまった。
なお、AIイラスト集がついた、「完全版」の『枕ファンタジア』は、ひっそりと本HPで販売している。
ただし、2022年度のNovel AI全盛期のAIイラストなので、2025年現在のAIイラストより、品質は低いので、特段、プッシュしていない。
1stアルバムのイラストとロゴ~数千円の赤字スタート
メグデスは、デビューアルバムから「絵師」にイラストを依頼している。
宗教団体真メグデスのロゴも「絵師」に作成していただいたものだ。
お支払いした金額は、数千円である。
「絵師」といっても、その女性は、特に同人活動もされていない、ごく普通の「デザインが好きな一般職の方」で、「お金も要らない」という話だった。しかし、無償でいただくのは「恩を買う」ことになってしまうので、それは避けたいと考えて、お支払いした。
「恩は売るべきで、決して買ってはいけない」というのが、私個人の方針としてある。
メグデスのロゴはとても気に入っていて、デビュー以来、一貫して使用させていただいている。
しかしし、このアルバムは、当初、全く売れなかった。売り上げは3枚。
率直に言えば、イラストがチープだったからではないかと思う。
ボカロ界隈は、「凄腕の絵師」がひしめき合っている界隈。
「どんな絵師とコラボできるか」が「ボカロPの格付け」とみなされるような風潮があった。
裏を返すと、「どんなボカロPとコラボできるか」が「絵師の格付け」とみなされていたとも言える。
そういった「ブランディングの世界」に対して、「デザインが好きな一般職の方」のイラストで売り込むのは無理があった。
1stアルバムリリース時点で、メグデスは『数千円の赤字』を抱え込むことになった。
今後、活動を続けて、「アルバムを出すたびに、出費する」という状況は避けたいと考えた。
なお、現在、アルバムは十分売れたので、原価は回収できている。


圧倒的なパワーを持つyuyu氏のイラスト
1st「STAND UP AND SEX」で数千円の赤字を出してしまった我がサークル、メグデスは、次回こそは絶対に黒字にしようと考えた。赤字が続くなら、解散しかない。
そこで、思い切って、「プロの絵師」に依頼をかけることにした。
当時は、絵師の価格も、わりと安かった。それでも、絵師とのコミュニケーションは大変だし、心が折れた。
ようやく見つけたyuyu氏は、企業でキャラクターデザインを務めていた、完全なるプロだ。
当時は、フリーになった駆け出し当初であったため、我々の予算内で、快く引き受けていただくことができた。
仕上がったイラストの美しさと完成度に息をのんだ。
「完璧だ…」
yuyu氏の凄さは、絵の美しさだけでなく、デザイン力。
また、顧客のニーズを汲み取る力だった。レベルが違う。
メグデスは既存のボカロ文化との差別化を目指していた。
しかし、ボカロであることもアピールしたかった。
私は、下記のような要望を伝えた。
------
【要望】
既存のボカロは「ヘッドセットをして、踊りながら歌う」
これと差別化するために、「背中にスピーカーを背負って、ペニス型のハンドマイクを持たせてほしい」
メグデスのボカロは、ステージでセックスのショーをすることを想定している。
そのため「着たままで、セックスができる衣装にしてほしい」
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こうした要望を聞いていただきながら、完全にイラストに落とし込んでいただけた。
しかし、yuyu氏は、すぐに人気絵師となって、他に仕事を抱えるようになってしまった。
それで、4枚目を最後に、取引終了となった。
それでも、フリーとなった方が、無事、絵師として自立できるのは素晴らしいことだ。
ただし、些細なトラブルもあった。
メグデスは、AIイラストとyuyu氏、また、8thでキャラデザをお願いしたまな氏の名前を表記していた。
しかし、そこでyuyu氏から連絡があり「AI絵師だと勘違いされるから、名前を取り下げてほしい」とのことであった。
メグデスとしては、絵師に「敬意」を払うつもりで、クレジット記載していた。
しかし、実は、それが「絵師の足を引っ張る行為」だと、そのとき、気づいた。
メグデスとしては、お金を支払い、それで「権利」を買い取ったつもりであった。
しかし、現実社会はそうではなく、受け取った「商品」から、むしろ「人間関係」が始まってしまう。
メグデスが何かすることで、yuyu氏に、何か影響があるかもしれない。
yuyu氏がなにかすることで、メグデスに、何か影響があるかもしれない。
つまり、「責任」が生じてしまうのだ。
趣味で、自由奔放にやるつもりの、『同人活動』に「責任問題」まで持ち込むのは、非常に重荷である。
それゆえ、現状、今後は、絵を「外注」することは、考えていない。
しかしそれは、「AI推進」だとか「反AI」といった、ネット上の面白半分の派閥抗争の話ではない。
ビジネス上のややこしさであったり、繊細な「人間関係」の理由から、そう考えただけである。
また、AIイラストがどれだけ普及しようが、発注と受注の関係で「これだ!」というモノが生まれた感動は、決して薄れない。アルバムの売れ行き云々とは別の話として、「本当に理想のものが出来た!」という意味で、yuyu氏が手掛けた4枚のジャケットイラストと、メグデスの「ロゴマーク」は、私の同人活動における、宝物になっている。
(メグデス事務局 2025.02.06)