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【淫語ボカロ】9th『PERFECT SEX』

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K-POP、吹奏楽の要素を導入し、さらなる音楽的拡大を目指す、淫語ボカロの覇者。

​音楽において『パーフェクト』はゴールじゃない。 木下 桜子(key)

本アルバムのタイトルは『パーフェクト』で、内容も良いと思うのですが、私自身の心境は全くパーフェクトではありません。これが、アルバムセールスのための、ネガティブな話になるのか、ポジティブな話になるのか、全くわからず、この文章を書いています。

◇ ◆ 7th『BAD SISTERS』は当時の限界で、そこで行き詰った

私は、2021年末から、作曲の先生に指導を受けに行っています。7th『BAD SISTERS』は、それまで独学でやってきた、私やジャイアントさんの『作曲』の頂点であり、限界なんです。

才能があると言われても、ないと言われても、どちらでも良いのですが、限界でした。

音は12個しかないし、自分としては「並べ尽くした」と感じていました。

…にもかかわらず、全く「答え」が見えてこなかったんです。

レコーディング中も、ずっと「響きの悪さ」が気になる。それでも、とにかく自分なりに調査しつくして、可能な限り解消して、「よし」と思ってリリースしたのが7th『BAD SISTERS』。

やれるだけはやりました。​

でも…、例えば、私はバンド『エイジア』が好きなんですけど、それと比較すると、どうにもメグデスの曲は「透明感」が悪い。濁らせたいわけじゃなくて、透明にしたいのに、透き通らない。でも、方法がわからない。

色々迷って、週に一回、作曲の先生に指導を受けに行くことにしたんです。

◇ ◆ 「先生に指導されて修正された曲」を収録した

このアルバムは「先生に指導されて修正された曲」が、たくさん入っています。

Amen、Hotplay、Fucker、インストは、ほぼ全曲、先生に指導を受けて、修正したものを収録しています。

長年「自分でやってみたいけど、曖昧で、やり方がわからない系統の曲」を、きちんと指導を受けてやってみたんです。

 

DTMをやってる方だったらわかると思うんですけど。「なんとなく」は、誰でもできるんですよ。

でも「なんか違う」。この「違和感」を「私の個性、才能」としてわりきるか。

「私は、何も理解できていないんじゃないか」と不安に思うか。

で、結論としては、「私は全然わかってなかった」のです。指導を受けたら、イチから10まで、すべて修正を受けました。YMOの『ライディーン』や、ドラクエのオープニング曲なんて、DTMをやってる中級者なら「そんなのボクにもできるよ」と、絶対に言うと思うんです。私もそうでしたし。

でも、全部、修正されました。「サクラコさん、全然響きが違うよ。ほら」といって、目の前でピアノで、演奏してもらって。それで、愕然としたんですよね。「私、こんなに耳悪かったのか」と。

で、先生の指導を元に、復讐…じゃなかった、復習のために独力で書いたのが「すいせいとまんこ」「Stealer」などの曲です。この2曲は、今までの自分の力では構築できなかった、「巨大な音の広がり」があります。

この、クラシックを土台としたアンサンブルのテクニックは、今の私の大きな武器です。

また、すぎやまこういち先生の曲を、徹底的に分析した指導を受けた、インスト「おまんこクエスト~ペニスのファンファーレ」も大きな財産です。この曲で「エレキ楽器を使わずに、管楽器のみで音楽を組み立てられるようになった」のです。

…。

ところが、別の不満が、自分の中に湧きあがってきたんですよね。

このまま、既存の作曲家の仕事を「答え合わせ」のように、色々教えて貰って「ここはあってます、ここは間違っています」と指導されたその先に、「私の音楽」はあるのか?

いや、「すいせいとまんこ」「Stealer」は、私が長年追いかけていたサウンドなんです。これが達成されたことは嬉しかったんですけど、自力で気づいたわけじゃなくて、先生に「そういうときは、こういう考え方でやるんだよ」と教えられてしまったので、達成感がないんです。「あれ、出来ちゃった」という感じなんです。

◇ ◆ 作曲では「ノーミス」は、ただの「ノーミス」でしかない

th『BAD SISTERS』のときは、「どうしても突破できない。でもやるだけやった」が、その作品のゴールでした。

一方、本アルバム『PERFECT SEX』は、「あれ、できちゃった…」が、ゴールだったんです。

先生に何度も言われたんです。

「これでこの曲、完成だけど、どこかわからないところある?問題ある?」

私は「問題ないです」と答えました。

でも「問題ない」というのは、ゴールではないなと思いました。

音楽における「パーフェクト」とは、「良くも悪くも」なんですよね。

音ゲーなら、ノーミスでクリアで、それが頂点で素晴らしいんですけど。

作曲では「ノーミス」は、ただの「ノーミス」でしかない。

意味伝わりますかね?

セックスやマスターベーションに例えると、わかりやすいかもしれません。

しっかりと手を洗い、避妊して、清潔に、きちんと手順通りに、最後まで終えました。

「ノーミスです。」

そこに『興奮』があるのかということです。

それが求められているかどうかは、時と場合に拠りますよね。

だから、また、悩み始めてしまって。

「難しい状況になったな」と、私は思ったんです。

そんなとき、ミッキーさんが、デタラメな曲を書いてきたんです。ずーっと、ルートE。ギターも、ずーっとEのパワーコードでテキトーに弾いている。サビも、同じ言葉をずっと連呼している。非常にバランスが危うい曲で、ミックスで、ちょっと音のバランスを弄ると、破綻してしまいそうな曲なんです。音楽的に成立しているのか、かなり怪しい。

ところが…、ミッキーさんが、エルザさんにアルバムを聴かせたところ、「勝負するならこの曲だね」と言われたんです。

それが、ずーっと、ルートEのテキトーな曲、アルバムタイトルになった「PERFECT SEX」だったんです。

音楽って、本当に奥が深いなと思いました。それでまた、音楽が楽しくなったんですよね。

(2025.1.13)

日本は目立つため、海外は「ひとつになるため」に歌う 木下 桜子(key)

本曲「Amen」は、K-POPをイメージして制作されたJ-POPです。
「Amen」はキリスト教の祈りの言葉、「アーメン」ですが、英語の発音だと「エイメン」になるみたいですね。

K-POPはまぎれもなくJ-POP、特にジャニーズやavex系統から派生した音楽です。
しかし、色々なところが違います。
皆さんは、どこが違うと思いますか?

◇ ◆  K-POPの特徴

 

K-POPの最大の特徴は、和声の美しさです。とにかく美しい。
K-POPは、複数の作曲家でトラックを制作したりもします。
二人の作曲家が一緒に曲を制作するとどうなるか?
作家性が低くなり、より「客観的な仕上がりになる」ということですね。
裏を返すと「個性がなくなる」ということです。

K-POPは、販売地域によって楽曲やアレンジを変えたりもします。
日本で販売するときは、「日本大好き!」と言って、日本語で歌ったりしますよね。
しかし、韓国で歌うときは「日本なんてくそくらえ!」と言って、韓国で歌ったりします。
アメリカで歌うときは、ヒップホップを歌います。
「ローカライズ」するんです。
売るためなら、なんでもやるのが韓国流。

◇ ◆ J-POPの特徴

 

J-POPの最大の特徴は、和声の汚さです(笑)。とにかく汚い。
これはもう、日本音楽の最大の特徴ですね。
ハーモニーを重要視しない。
和太鼓、尺八、横笛、法螺…
日本にはたくさん楽器があるのですが、ハーモニーをあまり意識しない。
「賑やかして、テンションをあげる」というのが、日本式の音楽。
ジャズでは、オーネット・コールマンが「調性」を無視して、リズムだけで演奏します。
これがちょうど、日本の「お祭り」の音楽との類似性が指摘されています。
(私が大学でそう習った)

また、日本は本当に「個性、作家性」を重視する。
小室哲哉の小室サウンド、つんくのモーニング娘。浜崎あゆみ。
聴いた瞬間に「コイツらだ!」と、ハッキリわかる音楽が日本では好まれやすい。
ローカライズもしませんね。宇多田ヒカルがアメリカで販売する際に、英語にローカライズしたけれど、成功はしていない。
ローカライズすると、『日本の音楽の面白さ』が、急激にしぼんでしまうんですよね。
エヴリリトルシングの楽曲を、海外のスタジオミュージシャンがカバーしたアルバムなんかもあるんですけど。品質は高いけれど、なんかピンと来なくなってしまう。

 

◇ ◆ 日本は目立つため、海外は「ひとつになるため」に歌う

日本人が音楽をやるのは『目立つため』ですよね。
バンドをやるときも、カラオケを歌うときも、とにかく『目立ちたい』。
目立ちたい場合は、音をハズしたほうが目立つんです。

ところが、海外では「ひとつになるため」に音楽がある。
アメリカの、黒人音楽のゴスペル、教会音楽は、まさに「ひとつになるため」の音楽です。
バンドで演奏するときも、とにかく一体感が重要視されます。

K-POPはもう、完全に、マリオネットですよね。
ステージ上では、完全に一体になるので、誰がだれだかわからない。

勿論、日本でも『安全地帯』のようにハーモニーを重視するバンドもあるし、
韓国にも、めちゃくちゃなスラッシュメタルみたいなのもあるわけですけど。

大方の傾向としては、日本と韓国は、同じ音楽で、同じ系統の音でも、目指しているものがまるで違う。

◇ ◆ 「Amen」は日本的なアクの強さと、K-POP的なハーモニーの美しさ

 

本曲「Amen」は邦楽のような「個性の強さ」と、K-POP的な「ハーモニーの美しさ」を、美味しいとこどりしようと試みたものです。

ヘビーメタルは、比較的、そういう概念なんですよね。「ハーモニーの美しさと個性」を共存させる。
ドッケンなどLAメタルは、そんな感じですね。

本曲はメタルではないんですけど、メタルの「魂」を継承した「J-POP&K-POP」と言えるかもしれないですね。

ベースは、ちょっとスラップをやったりして、「ロック」なルーズな響きを出しています。
また、ギターも、カッティングでうるさくノイズを出したり、マイケル・シェンカーのような属人性の高い、ブルージーなギターソロを弾いています。

本曲は、色々な狙いが、ピタッとハマった一曲だと思います。
とはいえ、この路線でずっとやるかというと、それはないなとも思います。

やっぱり、おいしいとこどりをしているから、日本的なアクの強さもないし、韓国的な徹底した美しさもないので、中途半端な部分もあるかなというのが見えた課題。

本曲を収録した9th「パーフェクト・セックス」は、「パーフェクトな音楽とは何か?」というのを、色々な方向性から実験した曲です。

結論としては「ない」んですよ。
結局、さじ加減でバランスをとるしかない。
じゃあ、どのあたりのバランスが心地よいのか。そんなことを考えながら、本アルバム「パーフェクト・セックス」を聴いていただけると楽しいかもしれません。

ポップス、ブルース、メタル、吹奏楽、色々なことにチャレンジしています。
 

(2025.1.28)

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