今さら聞けないシリーズ②「SMってなに?」
大人気の「今さら聞けない」シリーズ。
今回のテーマは「SM」。
エロ漫画や官能小説の「SM」や、あるいは商業的な「SMショー」は皆さんもよくご存じよね。
でも、恋人同士でおこなう「プライベートSM」については、どう?
意外に知られていないんじゃないかしら。
誤解すると相手と全く噛み合わなくて。
ヘタすると、気まずい思いをしたり、ケンカにもなりかねない。
そうならないよう、今日はIQ127の絶対美少女である私が「SMの心構え」について、わかりやすく解説するわね。
■■ 性交渉におけるSとMは、相手が認めてくれてこそ
ネットだと、よくさ。 「オレ、Sなんだよね」 「私、Mなんです」 なんてことをアピールしてる人がいるよね。でも、マト外れな人がほとんど。
特に男の「オレはS」「オレはM」のアピールは勘違いが多い。
いい?ハッキリ言っておくけど。
「オマエがSかMかは、オマエが決めるんじゃない。相手が決めるんだ」
性交渉におけるSやMとはパートナーが「あなた様は私のご主人さまです」あるいは「オマエはオレの奴隷だ」と相手に認められて初めて成立するのよ。
え?驚いた?
でも、一人で勝手に「自分はSだ」とか言っても、それ意味ないよ。
▼ 読者なのか、表現者なのか。
「オレはSだ」と自称している男のほとんどは、実際にはSMプレイやったことないでしょ? SM漫画読んで「『Sの登場人物』に感情移入してオナニーしました」つーのは、Sではないよ。
それは「Sの登場人物が好き、憧れている」ってだけ。
例えばさ、格闘技漫画読んだだけで「オレは格闘家だ」なんて言ったらアホでしょ。 SMも同じ。SM漫画や小説読んで興奮しただけで「オレはSだ」なんて言ったらアホよ。
SやMってのは「読者」のことではなく「表現者」のことなのよ。 「オレはSだ」というからには、それなりの訓練の結果、自分自身の「Sとしての表現力」を身に着けていなきゃダメなの。Mも同じよ。訓練が必要。
でも、そんな訓練してる人なんて、ほぼいないでしょう。
「Sになりたい」「Mになりたい」って人は多いと思うけど。
「オレはSだ」「私はMです」なんて看板を掲げて良いのは、ごく少数の選ばれた人間だけよ。
オマエら、SM舐めすぎ。
▼ 礼儀作法がなっていないMはMじゃない
SNSには変な男がたくさんいて。 「僕はMです、ミッキーさん、いじめてください」 みたいなことをキャッキャ言ってくるんだけど。
でも、こういう男ってMでもなんでもない。 自分が楽しく射精したいだけ。
SMファンではあるかもしれないけど、Mではない。
こいつらは「こうされると興奮するんです!」「こういうセリフを言われると興奮するんです!」だとか、自分が読んだエロ漫画の興奮したシーンを一方的にベラベラ話すだけ。 「ご主人様(相手)を楽しませよう」という「奉仕の精神」がゼロ。 奉仕の精神がゼロのMってなんだよ。アホか。
で、またさ。 こいつら口の利き方もなってねーのよ。 「はい、ご主人様」「ありがとうございます」といった基本的な挨拶すらできない。
礼儀作法がなってないMってなんだよ。死ねよ。
どこからどう指導すればよいのか。 バイトすらまともにできねーだろ。 オマエらは、SMよりも先に覚えることがあるよ。
▼ 「殴るのが好き」と「殴る男を演じるのが好き」の違い
SMつーのは「演技(ごっこ)」なわけ。
・殴るのが好きなのはガイキチ、サイコパス。 ・「暴力的な男を演じるのが好き」なら、Sの素養がある。 ・「暴力的な男を演じるのが好きで好きでたまらない」のは「真正のS」。
「真正のS」を「サイコパスのこと」だと勘違いしている人がいるけど、サイコパスはサイコパスでしかないわ。
性交渉における「真正のS」とは、「ご主人様に相応しい風格と態度、そして『女を玩具として扱う技術』を身に着けた人」のことよ。
繰り返すけど、SMは「演技」。ただし「本音」と「演技」は交錯する。 だから「殴るのが好き」な男と、「殴る男を演じるのが好きで好きでたまらない」男は同じに見える。でも、ギリギリのところで自制が効いているのが「S」。
▼ SMは「即興演劇」
SMつーのは、即興演劇。 舞台の上では頭の回転の速さと、経験が求められる。
さあ、ここでレッスンよ!
例えば、あなたが女(M)だとして、好きな男性(S)のチンポを咥えるとしましょう。
【実戦練習】 ・M女として、部屋で彼氏にフェラしてみましょう。
M女のフェラつっても、色んな解釈があるわよね。 あなたはどんな「M女」を演じたい?
1.「命令されて、嫌々ながら口の中にチンポを入れられる女」 2.「洗脳されてご奉仕している女」
1だったら、涙目で落ち込みながら無言でチンポ咥えなきゃいけない。
2だったら、「ご主人様のおちんぽ美味しい」だとか言いながら、嬉々としてレロレロ舐めまくる感じかしら。
1は淫靡、2は淫乱。同じ「M女」でも全然違うよね。
だから「表現力」が必要なの。
さて、「M女」が「1~2」を演じたら、次は「S男」が反応しなきゃいけない。
どう演じる?
1では、ご主人様は奴隷を「便器」と呼ばなきゃいけない。 なぜなら、男が女を「モノ扱い」するという流れだから。 「モノ扱い」されて、女はさらに哀しく落ち込んでいく。
2では、ご主人様は奴隷を「淫乱なメス犬め」と罵るべき。
なぜなら、女がチンポに狂った変態だという設定だから。 この場合は、次にM女は「ハイ♪、私は誰のオチンポでも喜んで咥える変態女です」って感じで返すのかな。
泣きながら咥えている女に対して「淫乱なメス犬」つーのはピンとこないし。
レロレロ動いてるのに「便器」とモノ扱いするの奇妙よね。
そんな具合に、言葉の細部にコダわるべきかどうかは、M女の頭脳レベルにもよるでしょう。
でも、「尊敬されるご主人様」になりたければ試行錯誤は必要。
「真のSMはインテリにしかできない」って名言もあるのよ。
▼ SMの本質は「指示・命令」ではなく「愛」
さて、最後に一番重要なポイントをお伝えするわ。 SMは社交ダンスと同じ。
SMは、リードする側と、リードされる側が寄り添って完成する。
この「リードする、される」という概念を理解していないとさ。
「私はこんなプレイが好き!」 ↓ 「わかる」
で話が終わって一歩も進めない。
どちらかが、どちらかを引っ張らないとゲームは始まらない。
リードする側はSでもMでもどちらでも良いんだけど。 気を付けなくてはいけないのは、次のこと。
・リードする側は『相手好みの物語』を創るよう努力すること。
Mは、とにかくワガママになりがちで。M女がリードすると、 「こうしてくれ、ああしてくれ、それは違う、それじゃ気持ちよくない」と言いがち。
つまり「自分の好みの物語を書いて、相手に細かく要求を出してしまう」。
美味しいところを総取りしようとしちゃうのよね。
でも、それだと相手にとって「あなたの物語に付き合う価値」がない。
1回ぐらいは我慢して付き合ってくれるかもしれないけど、2回目はない。
「なぜオマエの絶頂のために、1時間~2時間も時間を費やさねばならんのだ」
商業のSMショーであれば「相応の金を払ってプレイを要求」するだけで良いけど。
プライベートなSMでは「ギブ・アンド・テイク」の関係を常に意識する必要がある。
・リードする側は「あなたを興奮させるために物語を書きます」としなくてはいけない。
・リードされる側は「相手の物語を壊してはならない」。
リードする側は、自分のリードで相手が興奮する姿を見るのが喜びだし。
リードされる側は、導かれて絶頂させられることが喜び。 この「ギブ・アンド・テイク」が成立すると「ご主人様」と「奴隷」の絆は強固なものになっていく。
しかし、いやあ、マジで難しいね。書いてて頭痛くなってきた。
「真のSMはインテリにしかできない」
そう、頭良くないとできないのよ、SM。
お互いが求めるものを、お互いが与え合う。
SMの本質は「指示・命令」ではなく「愛」。 実はSMってそういうものなのよ。
(了)
▼ SMにうるさい2人。え、私に言われたくないって?