予選「日本VSセネガル」/ミッキーのサッカーW杯観戦記⑬
なんつーか、この時点では、私もごく普通に日本を応援してたのよね。
コロンビアに勝利した日本の攻撃的なサッカーはとても良かった。
でも、内容で言えば、このセネガル戦(2-2/引き分け)での日本はもっと良かった。
前半すぐに1点取られてしまうんだけど、その後、1点取り返す。
後半また1点取られてしまうんだけど、それでもまた1点取り返す。
そういった追いかける展開のシーソーゲームだったんだけど、日本が終始押してたのよね。
「今大会での日本は強い!」
そう確信させてくれた試合。
まあ、次のポーランド戦の談合でガッカリしちゃうんだけどね。
日本は頑張って走っているんだけど「チームとしての目的」がわからないのよね。
日本は「管理社会」と言われるけど、なぜ「管理社会」なのかわかる?
実は、それは「まとまりがないから」なの。
個人の考えがバラバラで、一致団結ができない。
東大生、ギャル、ヤンキー、DQN、ニート、ヲタ。
こんなのどうやってまとめるのか?
だから「社会」が個人を強く管理しなくてはならない。
アメリカは「個人主義」と言われるけど、なぜかというと「管理しなくてもまとまるから」なの。
逆に「個性」を伸ばさないと、みんな一緒になっちゃう。
白人至上主義だったり、黒人ヒップホップ文化だったり。わりと、社会全体が色でサラっと染まる。
「影響を受けやすい、染まりやすい」のよ。アメリカ人は、むしろ「没個性」なの。
で、日本サッカーつーのは、「全体主義を目指しているんだけど、個人の考えがバラバラ」であることが大きな弱点。
そして、そんなバラバラな日本が、あっさりと一点取られてしまう。
しかし、バラバラだった日本が、一点を失って覚醒する。
「点を取りに行こう!」ということで、方向性が決まったのよね。
こういうサッカーが観たかった!
日本のキレのある攻めが止めきれず、セネガルがファールを仕掛ける。
この試合で私が一番びっくりしたのは、日本選手のフィジカルの強さ。
押されても引っ張られても、全然倒れないのよね。
「倒れないサッカー」は名手・中田英寿が提唱していたサッカーよね。
「決して倒れず、流れの中で1点を決める」
美しい考え方よね。
でも、現在は、ネイマールのようにワザと倒れるプレイが流行っているし。
実際、今大会もセットプレイからの得点が非常に多い。
ファールを貰ったほうが、得点チャンスは広がる。
だから、中田英寿の考えは、もう古いのかもしれない。
でも、ワザと倒れるのは、ファールを貰えなかった場合に、今までの攻めの流れを台無しにしてしまうし、倒れている間、ピッチ上のメンバーが減るわけだから、大きなリスクにもなる。
そういう意味では、中田の「倒れないサッカー」は再考すべき価値もあると思うわ。
今大会、大活躍したクロアチアのモドリッチは、まさに「取られない、倒れないサッカー」。
川島は、とても素晴らしいキーパーよ。
日本のサッカーファンは目が腐ってるから理解できないんだろうけど。
日本は昔から、シュートが下手くそでキーパーが上手い。
ただし、名キーパーというのは、スキルだけじゃなくてオーラが必要なのよね。
1点取られた場合でも「アイツが止められないなら仕方がない」という説得力がないとダメ。
名キーパーというのは独特のオーラがある。キャプテンに選ばれることも多い。
名手・川口能活は、スキルだけじゃなくてオーラがあったのよね。
一点取られても「川口が取られたのなら仕方がない、気持ちを切り替えよう」と思わせる説得力があった。
でも、川島には、そのオーラがない。でも、「オーラがない理由」つーのは、説明ができないのよね。
五角以上の押し合いの中での失点。
ただし、ムードは悪くない。まだまだいけるという雰囲気があった。
なんだかんだ言われても、やっぱり本田のキックは得点の可能性を広げてくれる。
これぐらいの精度でフリーキックを蹴れる選手が、もっといればね。
日本は、本田以外はセットプレイがまるでダメだった。だから、本田が投入されるまでの間は、セットプレイをとっても、全く得点に繋げられなかった。
ここが今大会の日本の最大の欠点だったわね。他の強豪チームは、大抵どこも、めちゃくちゃセットプレイが上手い。
そして、本田の絶妙なセットプレイがパシっとハマる。
シンプルなクロス・キック。でも、これができるのが、本田しかいないのよね。
日本も良い試合をしたけど、セネガルも良い試合をした。
ところが、日本のサポーターは、敵チームに驚くほど敬意を払わない。
全体的に無礼なのよね。
コロンビアやセネガルやポーランドだとかには、全く敬意を払わない。
相手の良さを見抜けない。
自己愛が強いだけで、他者への愛がないのよね。
「日本人サポーターは、どうして敵チームを尊重できないんだろう?」
引っかかっていたものが、次のポーランド戦で出てしまう。
敵国に敬意を払えない日本は、強豪国ポーランドに対し、史上最低の作戦を実行するるのだ。
以上