決勝T「日本VSベルギー」/IQ127の絶対美少女ミッキーのサッカーW杯観戦記⑧
2018年W杯、今大会のベスト・バウトとも言える「日本VSベルギー戦」。
しかし、私の立場は複雑。
私は日本人ではあるけれど、この試合ベルギーを応援する立場にあった。
【あらすじ】
発端は、予選トーナメントにおける「日本対ポーランド戦」。
日本は「同率のセネガルに対して得失点差で上回って決勝トーナメント進出」することを目指し「1-0」のスコアで「ワザと負ける」という作戦に出た。
「攻めてポーランドに1点取られるよりも、パスを回して時間をつぶして1対0で負けよう」
勝っているポーランドは無理に日本のボールを取りに行くこともなく、試合途中で寝転がって時間が過ぎるのを待つ。最悪の試合。
スタジアムの観客からはブーイングの嵐。
ところが、この談合試合を、日本のサポーターやメディアが大絶賛!
「西野監督、名采配! 日本、遂に決勝トーナメント進出!」
私は、結果よりも試合内容を重んずるから、当然、ポーランド戦での日本の「談合サッカー」には否定的よ。当たり前じゃん。
ところが
日本チームのサポーターは「名将・西野のこの試合を批判する人間は朝鮮人だ』としてて侮蔑した。
なにそれ? 最低。
前々から思ってたけど、日本のサッカーサポーターってガラ悪くね?
・スポーツマンシップから外れた行為をする監督を育てたのも、日本サッカー協会。
・スポーツマンシップから外れた行為をする選手を育てたのも、日本サッカー協会。
・韓国人や朝鮮人を差別するような、ガラの悪いファンを育てたのも、日本サッカー協会。
一人や二人、頭おかしいヤツがいるのは仕方ないけど、サッカーは発言が行き過ぎることがあまりに多すぎる。もう、日本でサッカーに関わる人間は信用できねーわ。
卓球の愛ちゃん、テニスの錦織選手、野球のイチロー、フィギュアスケートの羽生選手。
世界でレジェンドになった日本のアスリートなんてたくさんいるわけでさ。
それと比較すると、日本サッカーって、むしろ落ちぶれてるじゃん。
それって、ガラの悪いサポーターと、談合試合やるような監督を育てた日本サッカー協会の精神が腐ってるからじゃね?
私は、パートナーが香港人だし。
それに、ベルギーの攻撃的なサッカースタイルにほれ込んでるから。
日本サッカー協会や、私を朝鮮人扱いするサポーターにイラついてるのに、日本を応援する気分にはなれねーわ。
滅びろ、談合ジャパン。
オマエらに、日の丸を背負う資格はねえよ
普段私は、どちらのチームに肩入れすることもなく、わりとフェアな立場で応援することが多いんだけど。
今回は、とにかく日本に負けろ。消えろ、恥知らずジャパン!
しかし、出だし5分、意外なほど日本の動きが良い。めちゃくちゃ良い。
コロンビア戦よりも、セネガル戦よりも、勿論ポーランド戦よりも動きが良い。日本はとにかく速い。
ベルギーは日本の速く精密な動きに混乱しているようだった。
大げさだけど、少なくとも出だし5分だけなら、日本はフランスにも負けず劣らずの試合してたと思うわ。
日本の速くて精密なディフェンスをベルギーはなかなか突破できない。
開始20分で、ようやくベルギーが1本目のシュート。
ここから、攻撃的なベルギーらしさが出てくる。
というよりも、日本はいきなり全力で飛ばし過ぎたんじゃないかしら?
早くも疲れが出てきた?
立ち上がり日本優勢とは打って変わり、前半の中盤からはベルギーが一方的に攻撃を仕掛ける展開へ。日本がカウンターサッカーを狙っているとは思えず、単純に押し負けている印象。
よく守っていたけどね。
しかし、この日は川島が冴えてた。
川島をやたら批判する日本人サポーターがいるけど、少なくとも、この試合の川島は良かった。
そもそも、なぜ日本は、前半からこんなに一方的にベルギーから攻撃を受けているのか。
それは、中盤の人間がダラしないからでしょう。
シュートを数多く撃たれるのは川島の責任ではないよ。
私は、昔から日本のFW陣が嫌いなのよね。全く点が取れないから。
ベルギーは、あまり守備に力を入れないのよね。
守備よりも、なるべく敵陣内でプレイすることを心掛けている。
「敵陣でプレイしている間は、敵からシュートは撃たれない」という大前提を守ってる。
「攻撃は最大の防御」というヤツ。
逆に、守備が手薄なぶん、ベルギーはカウンターを受けると危険。
でも、1点~2点取られたって、べつにいいのよ。3点~4点取り返せばいいんだから。
「ベルギー側が攻めてる時間が長くて、かつ、ベルギーのFWの得点力が相手を上回っているならば、確率的に、試合終了までにはベルギーのほうが相手の得点を上回るだろう」という単純な計算がある。
この単純な計算に基づいたサッカーがベルギーの魅力。
「守備だ、中盤だ、攻撃だ」と、意識が分散してしまうようなサッカーは、練習内容や試合中の意識が分散して、あまり成果をあげられないんじゃないかなというのが、私の持論としてある。
結局、前半は0-0で終わってしまった。
ベルギーは押しまくっていたけど、日本のカウンターの速さは怖い。
かつ、川島が結構止めるのよね。
いよいよ、後半戦。いけ、ベルギー!
と思ったら、いきなり日本が先制。凄いスピードだった。
まあでも、先述したけど、別に1点や2点、どうってことないのよ。
ベルギーはきちんと攻めのカタチを維持すれば、必ず日本を上回る得点がとれる。
ベルギーの攻めのカタチは良いんだけど、それがなかなか得点に結びつかない。
川島が健闘している。
ベルギーが点が取れずに苦戦しているうちに、日本が2点目を取ってしまった。
私が恐怖したのは、得点を取られたことより、得点を取られた後。
それまでは、点を取られようがベルギーが一方的に押してたのよ。
日本は堅守のチームではないから、押していればいずれは1点~2点入るのよ。
ところが、日本は2点目を取った後、さらに3点目を取る攻撃な展開。
そして、ベルギーを押し始めるの。
日本にとにかく押されるベルギー。
ベルギーはカウンターも得意だし、攻め込まれてから押し返すこともできる。
でも、2-0でリードされているのに、カウンター狙っているような展開じゃ勝ち目ないよね。
このままだとベルギーは負ける。
ノリにノッてる日本。今まではベルギーが押して日本がカウンターを仕掛ける展開だったけど。
今や、日本が押してベルギーがカウンターを返す展開。
攻めている時間は日本のほうが長くなってしまった。
ベルギーは選手交代。背の高い選手を入れて、日本のスピードに対して背の高さで対抗する方針。
これがすぐに的中。
一点取られても、日本が積極的に攻めてくる。
まあ、ベルギーにとって「撃ち合い」は臨むところではあるんだけど。
よし、決まった。選手交代で投入した選手の背の高さが活きた。
ベルギー監督の采配が完全に的中。
日本の「スピード」に対して、ベルギーは「高さ」で勝負。方針が明快よね。
ベルギーはノロマなチームではなく、むしろ、カウンターのスピードはトップクラス。
ただし、ベルギーの「スピード」は瞬間的なものなのよね。
一方、今日の試合の日本の「スピード」は持続的なものだった。
もしかしたら、前半のベルギーは、自身のスピードに自信があるがゆえに、日本のスピードに対して、スピードで対抗しようとしてしまったかもしれない。
チュニジア戦のベルギーはまさにそうだった。チュニジアの真っ向勝負を受けて立った。
しかし、今回の日本戦では「日本の組織的なスピードでは勝てない」と見切りをつけて、高さの勝負に移行したのが作戦の成功要因じゃないかしら。
いくらベルギーが「撃ち合い」に強いと言っても、もう後半も時間が残り少ない。
現在のベルギーの戦術は当たっている。守備を固めて延長まで引っ張りこめば勝利は確実。
ところが、ベルギーは守備的な作戦はとらず、あくまでも「撃ち合い」に出た。
延長に入ったら負けることを確信しているであろう日本も、当然受けて立つ。
ここで本田投入。
本田のフリーキックは日本の大きな得点源だから、これは怖い。
ただ、本田を投入するタイミングが少し遅かったような気もするわ。
日本のFW陣は、前半から全力疾走で、すでにへとへと。攻撃力が落ちた状態で撃ち合いを挑んでもダメよね。ベルギーが選手交代した時点で、撃ち合いにいくのか逃げ切りにいくのか明快な判断が必要だったと思うわ。同点に追いつかれてからだと、選手としても点を取りに行けば良いか、守れば良いのか迷う。
投入された本田は、抜群のボールキープ力で日本の攻めを良いカタチに仕上げる。
日本FW陣はスピードがあってもキープ力がないから、攻めのカタチができていないうちにパスを回してしまうのよね。
本田はキープで溜めを作るから、その間にFWがあがって攻めのカタチを作ることができる。
本田のサッカーは序盤のスピードサッカーにはあってないけど、FW陣がバテてからの後半にはフィットしているように見えた。
あくまで撃ち合いのベルギー。これを川島が止めるのよね。
シュート本数ではベルギーのほうが上回ってるの。でも、川島が止めた。
日本の敗因は川島ではなく、撃ち合いの際に、ベルギーにたくさんシュートを撃たせてしまったことにある。
「撃ち合いにおけるキーパーの優位の差」というのは、双方のシュート数が同数だったときに焦点になるのよ。
双方のシュート数に大きな差があって、たくさん撃った側が勝ったのであれば、それは確率的に当然よ。
攻めても攻めても得点が取れないベルギー。
ただし、この時点ですでに実力では雌雄はついてる。ベルギーと日本は双方ともにメンバーを交代させて撃ち合いにいって、ベルギーのほうが圧倒的にシュート数が多くなった。
すでに実力では決着がついた。後は、運命がどちらに傾くかでしかない。
本田のフリーキックは「3点目を狙う、延長にはいかせない」という作戦上においては、批判されるべきじゃない。狙ったのは正しい判断。壁を越えてしっかりと枠内。しかし、キーバーがキャッチ。
ここから、わずか9秒! 9秒でカウンター。あまりに速すぎて何がなんだかわからなかったけど、後半終了直前にベルギーがカウンターを決める!
3人で突撃したベルギーのアタックはブラジル戦でも使っていたので、ベルギーが攻撃パターンとして準備していたものだったんでしょうね。
「結果が全てだ」といって、ポーランド戦の談合試合を支持していた連中が、ベルギーに「善戦」しただけで大喜びつーのは不思議よね。
善戦は、ただの敗北じゃん。
だっただ、ポーランド戦で全力を尽くせよ。いったい、結果を求めてるのか、内容を求めているのか。その時の気分で指針を変えてはダメなのよ。
↓ これがネトウヨ・サポーター。「未来に希望」だとか、何言ってるのかサッパリわからない。
韓国はドイツに勝った。日本はポーランド戦では逃げて、ベルギーにも敗北した。
日本が上手くやったのは「談合」だけであり、試合の「結果」では、韓国を超えていない。
日本サッカーの技術は素晴らしい。しかし「複雑すぎて方針が曖昧」。
それがベルギー戦を観た私の、日本チームに対する感想。
美しいけど、強くない。
ポーランド戦の談合、ベルギー戦での善戦、ゴミを綺麗に片付ける日本人選手のマナーの素晴らしさ、日本人サポーターの人種差別。
本大会を観て、日本人として、日本に対して、なお一層、複雑な感情を抱くようになった。
しかし、情報化によって価値感がバラバラになった現代では、仕方のないことなのかもしれない。
私が、心の底から素直に日本サッカーを応援することは、ないのかもしれない。
しかし、ベルギー対日本は、間違いなく今大会のベストバウトだと思う。
おつかれ、日本。