技術至上主義の反動① /死んでくれてありがとう、カート・コバーン
ヘビーメタルの楽器演奏では一時期「技術至上主義」の時代があって。
日本の萌え豚クールジャパンイラストも技術的に成熟してきて「技術至上主義」になりつつある。
高度な技術を身に着けるのは莫大な時間がかかるわけだけど。
でも、絵も技術至上主義はすぐに廃れてしまうと思うわ。 テクノロジーでどうにでもなっちゃうもの。
ただ、感動の根源はテクノロジーでは生み出せないから。 どこを自分の「勝負どころ」にするかよね。 私もわかんない。
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「技術至上主義」の怖さは「反動」が来ること。
ヘビーメタルの技術至上主義の反動で、グランジやニューメタルが流行った。
ずっと「高度な技術は素晴らしい」と言われてたのに、ある日突然「技術なんてあっても意味がない、ダサイ」と言われてしまう。
これは「技術の習得」に時間をかけていた創作者にとって、非常に残酷なわけ。
私は、この「反動」を学生時代に味わった。
ずっとテクニックを磨いてたんだけど、ある日突然「ダサイ、ダサイ、ダサイ」と言われてしまって。
そのトラウマがあって、私は学生時代の音楽仲間には一切会いたくないの。
集団で寄ってたかって、ちょっとしたイジメのようだった。
彼らは冗談のつもりだったんでしょうけど、私は音楽に人生賭けてたわけでさ。
ホントに辛かった。
あんたも憂鬱だったんでしょうけど、私もサイコーに憂鬱だったの。
あんたがガンズ・アンド・ローゼスが嫌いだったように、私もニルヴァーナが大嫌いだった。